ANAの国際線では、「ファーストクラス」「ビジネスクラス」「エコノミークラス」の3クラスに加えて、
「プレミアムエコノミー」
という座席クラスが用意されています。
このページでは、ANAプレミアムエコノミーの座席設備や座席のおすすめの位置、サービスの詳細について徹底解説します。
ANAプレミアムエコノミーをご利用予定の方、SFC修行でプレミアムエコノミーを使おうかと迷っている方は必見です!
目次
ANAプレミアムエコノミーはビジネスとエコノミーの中間クラス
ANAプレミアムエコノミーは、
ビジネスクラスとエコノミークラスの中間クラス
として位置づけられている座席です。
「ビジネスクラスは高くて手が出ないけど、エコノミークラスで国際線フライトに乗るのは、体力的にちょっとしんどい…」
といった方にはおすすめの座席クラスです。
ANA公式ページの画像をお借りすると、エコノミーはこんな感じ。
プレミアムエコノミーはこんな感じ。座席がちょっと大きいんです。肘掛けを見れば大きさの違いが何となく分かるかもしれません。肘掛けが分厚いです。
ただ、エコノミークラス・ビジネスクラス・プレミアムエコノミーのすべてを体験して言えることは、
プレミアムエコノミーはビジネスクラスとエコノミークラスの中間クラスだが、エコノミーに近い
ということです。
ANAプレミアムエコノミーとエコノミーの違いは?
ANAのエコノミークラスとプレミアムエコノミークラスの違いを表でまとめてみました。
プレミアムエコノミー | エコノミー | |
座席幅 | 49cm | -(49cm未満) |
シートピッチ | 97cm | 86cm |
リクライニング角度 | エコノミーよりやや深い | 浅い |
モニター | 10.6~11インチ | 9インチ |
機内食 |
エコノミーの食事 |
通常の機内食 |
ドリンク | エコノミーのドリンク+スパークリングワインetc | 通常のドリンク |
アメニティ | エコノミー +スリッパ・耳栓・マスク・歯ブラシ・アイマスクetc |
ピロー・ブランケット |
チェックインカウンター | プレミアムエコノミー用カウンター | エコノミー用カウンター |
手荷物取扱い | 優先返却 | 一般返却 |
ラウンジ利用 | あり | なし |
優先搭乗 | なし | なし |
単純に座席が大きいだけでなく、
- 出発空港でのラウンジ利用
- 機内アメニティが充実している
- 機内食・ドリンクメニューがエコノミーよりも多い
- 手荷物の優先返却
など、飛行機に乗る前後や機内のサービスにも違いがあるんですね。
ANAプレミアムエコノミー利用者はラウンジが使える
ANAプレミアムエコノミーを利用する場合、日本発でも海外初でも、出発空港の指定ラウンジを利用することができます。
私もプレミアムエコノミー利用時にはラウンジで過ごしていました。
成田空港国際線ターミナルに2箇所あるANAラウンジの様子は、こちらのページで詳しく紹介しています。当ブログでも特に人気のある投稿なので、ラウンジ内の様子が気になる方はぜひ。
ANAプレミアムエコノミーの座席設備
座席設備をまとめると…
それでは、ANAプレミアムエコノミーの座席設備についてです。
- リクライニングシート
- レッグレスト(跳ね上げ式)
- フットレスト(最前列にはなし)
- ヘッドレスト
- 読書灯
- 前の座席背面に収納ポケット
- 座席幅:49cm
- シートピッチ:97cm
- 座席モニター:10.6~11インチ(機材・座席による)
- 肘掛け部に折りたたみ式テーブル・カクテルテーブルが収納
- USB充電ポート
- 電源コンセント
座席本体の設備
数値で見ても分かりにくいと思いますので、実際に使っての印象を紹介します。
まず、座席はリクライニングシートですが、リクライニング角度はそれほど深くありません。
ただ、座席に取り付けられているクッション(上の画像赤囲い)のおかげで見た目よりは座面が柔らかく、身体をしっかりホールドしてくれます。国内線普通席よりは断然柔らかい座り心地です。
座席幅はゆったりしています。中央の肘掛けも幅広なので、隣の席の人と肘掛け争奪戦をすることもありません。
座席にはレッグレストが備え付けられており、肘掛けに付いているボタンでレッグレストを跳ね上げます。
このレッグレスト、長さが短くふくらはぎのまん中までしか支えてくれませんが、これがあるおかげで足が随分と楽なんです。エコノミーとの大きな違いです。
また、最前列以外の座席にはフットレストが用意されています。レッグレストと合わせて使うと、足の疲れがグッとマシになります。
また、座席のヘッドレストは可動式。座高に合わせて上下に調整できるほか、左右を引き起こすことで首が横に倒れるのを防いでくれます。これは意外に便利です。
さらに、各座席のヘッドレスト横には読書灯がつけられています。座席上部にも読書灯はありますが、ヘッドレスト横の読書灯は、手元だけを明るくするのに役立ちます(自分はあまり使わないけど)。
前の座席との距離(シートピッチ)は広めですが、さすがに足を伸ばしたら前の座席に当たります。
窓側の人がトイレに行きたいとき、通路側の人は立ってあげないと通りにくいぐらいのスペース。
前の座席の背面にはネットの収納ポケットが用意されています。これは何かと便利です。
ただ、最前列の座席は前に座席がないので、この収納はありません。こんな感じ。
これよりはネットタイプの収納の方が便利です。すぐ手が届きますし、収納スペースも多いですし。
シートTV
座席の背面にはシートTVがありますが、機材によってタイプが異なります。
この黒枠のタイプと…
グレー枠のタイプがあります。
黒枠の方が新しく、タブレットに近い操作感。
どちらもモニター付近にUSB電源ポートがあり、充電が可能です。黒枠のモニターは、画面のフチにポートがあります。
イヤホンは座席ポケットに入っています。
最前列の座席は、肘掛けの下にモニターが収納されており、肘掛けのボタンを押して引き出します。こんな感じ。
この画面は角度の調節幅が今ひとつで、見やすい向きに調節できませんでした。しかも収納が結構難しい。
さらに画面が目線よりも下になるので、長時間見ていると首・肩まわりが疲れます。
離着陸時には画面を収納しなければならないというのもネック。
モニターの使い勝手を考えると、最前列は今ひとつおすすめできません。
テーブル
プレミアムエコノミーのテーブルは、機内食の時にとても便利。
座席幅がある分、テーブルの横幅が広いんです。
これがプレミアムエコノミーのテーブルに機内食のトレーとドリンクを載せたときの様子。まだ横方向に余裕があります。
一方、エコノミークラスのテーブルに機内食のトレーを載せると、飲み物を置くスペースさえなくなります。
テーブルの幅が広いのはかなり助かりますね。
さらに、小物を置けるカクテルテーブルもあります。
ANAプレミアムエコノミーのアメニティ
ANAプレミアムエコノミーのアメニティでは、以下のものが用意されています。
- 枕(エコノミーと共通)
- 毛布(エコノミーと共通)
- スリッパ・靴べら
- 歯ブラシ
- アイマスク
- 耳栓
- 機内用保湿マスク
- ポケットティッシュ
枕・毛布は搭乗すると大体座席の上に置かれています。
スリッパは前の座席ポケットに入っていることが多いです。
その他のアメニティは、出発時に客室乗務員がトレイに乗せて各座席を回ります。「好きなものを取ってね」という感じで。
- 歯ブラシ
- アイマスク
- 耳栓
- 機内用保湿マスク
こんな感じで自分の好きなものをトレイからピックアップします。
いつも自分はこの歯ブラシと、機内で配られるペットボトルの水を使って、機内で歯を磨いています。トイレが空いた頃を見計らって…。
なお、この機内用保湿マスク、ただのマスクではありません。
マスクの口元にジェルが入っており、しっかりとした保湿効果が得られます。乾燥する機内では役立ちますよ。
ANAプレミアムエコノミーの食事・ドリンク
ANAプレミアムエコノミーの機内食は、基本的にエコノミークラスと同じです。
こんな感じでワンプレートで提供されます。
これに加えてプレミアムエコノミー利用者は、1回目の機内食提供後に、プレミアムエコノミー専用のメニューを注文することができるようになります。
中でもビジネスクラスのデザートは人気です。
ビジネスクラスのデザート提供が終わってしばらくすると、客室乗務員がプレミアムエコノミーの各乗客にデザートの希望を聞いて回ります。
ビジネスクラスのデザートの余りを消費し………いや、余計なことは考えない方がいいですね(笑)
余り物でも、美味しいですよ!容器(お皿)もビジネスクラス仕様です。
ANAプレミアムエコノミー座席のおすすめは?
さまざまな座席を使って分かったおすすめ座席
私はこれまでに何度もプレミアムエコノミーの座席を利用してきました。
下図はB787のプレミアムエコノミーで私が利用した座席です。
(※これ以外にB777でもプレミアムエコノミーを利用しています。)
様々な座席に座ってみて、私がおすすめできる座席を紹介します。
最後列の通路側が一番オススメ!
私が最もオススメするのは、最後列の通路側です。通路側であれば、左・中央・右のどのブロックでもOK。
この座席のメリット・デメリットは以下の通り。
- 後ろに人がいないので、気兼ねなくリクライニングできる(超重要)
- 通路に出やすいので、トイレ・洗面に立ち上がりやすい
- 客室乗務員とのやりとりがしやすい(ドリンク・機内食の注文など)
- 外の景色が見えない
- 窓側の人が通路に出る際、立ち上がって通してあげる必要がある。
プレミアムエコノミーの目玉は、やっぱりエコノミーよりも豪華な座席です。せっかくなら、最大限リクライニングして、じっくりと身体を休めたいもの。
せっかくプレミアムエコノミーに座っているのに、後ろの人に気を遣って座席のリクライニングができなければ、プレミアムエコノミーシートの価値が一気に減ってしまいます。
なので、「気兼ねなくリクライニングできる」というのは重要な要素だと思います。(とは言いつつ、最後列でない方も結構倒していました(笑)気にした者が負けなのかも(笑))
また、飛行機に乗ると飲み物がついつい進んでしまうものです。お酒を飲む人であればなおさらだと思います。意外にトイレが近くなるんです。その他にも…
- トイレに行く
- 食後に歯を磨く
- (深夜便なら)起床時に洗面する
などなど、国際線でフライト時間が長くなると、トイレに立ち上がりたくなる機会が意外にあるんですね。単純に立ち上がって身体を伸ばしたくなることだってあります。
そんなとき、窓側の座席に座っていると、イチイチ通路側の人に声をかけなければなりません。通路側の人が寝ていたら……。声、かけづらいですよね。
外の景色が見えないというデメリットはありますが、快適さを考えれば通路側の方が断然オススメです。
プレミアムエコノミーからの景色、意外に期待できない
さて、「外の景色が見えない」というデメリットをピックアップしましたが、ANAプレミアムエコノミーの座席は翼付近にある機材が大半です。
外の景色、どうなると思いますか??
こんな感じ。ウイングビューです。翼が目の前に広がるんです。下の景色が見えにくいんです。
これはこれで良い景色かもしれませんが、国内短距離路線でも同じ景色が楽しめますよね。
さらに長距離国際線の場合、機内食の提供が終わると機内が消灯されて暗くなります。窓のシェード(日よけ)を下ろさなければならない空気になります。(シェードが開いたままだと眩しいので、下ろさざるを得なくなるんです。)
暗い機内でシェードを上げると非常に眩しくなるので、周りの迷惑になることを考えると、景色を見るためにシェードを上げることが憚られます。
などなど、ANAプレミアムエコノミーで窓側に座っても、意外に景色は楽しめないものなんです。
何度か利用してみて「意外に景色をじっくり見る時間はないんだな」ということに気がついた私は、現在専ら通路側席派になっています。
どうしても窓側が良いなら最前列を確保!
「飛行機に乗るのに、外の景色が見えないなんてありえない!」
という方もいらっしゃると思います。私も初めてプレミアムエコノミーを利用した際はそうでしたので(笑)
もしどうしても窓側に座りたいのであれば、最前列が一番のオススメです。
ここなら通路側に出るとき、通路側席の人に声をかける必要がありません。足元のスペースがすごく広いので。
最前列の足元の広さはこれぐらい。
最前列窓側席のメリット・デメリットは次の通り。
- 外の景色を見ることができる
- 足元が広いので、足を伸ばし放題
- 通路に出やすいので、トイレ・洗面に立ち上がりやすい
- 後列に気を遣いながらリクライニングしなければならない
- 小物の収納スペースが後列に比べて少ない
- フットレストが付いていない(レッグレストを使っても、フットレストがないと足がブラブラするので快適性が大きく損なわれる。)
- モニターが肘掛け収納式なので、離着陸時にモニターが使えない。
- モニターの角度調整が難しい上、見やすい角度に調節できない。
- モニターが低い位置にあるので、長時間モニターを見ていると首・肩周りが疲れる。
外の景色が見える、足が伸ばしやすい、通路に出やすいというメリットがある反面、(個人的には)デメリットに感じる点が多いので、快適そうですがあまり積極的には使いません。
ANAプレミアムエコノミーのおすすめ座席まとめ
結局、どの座席がいいのかは好みでしかないんですが(それを言っちゃ終わりだろ…って言われそうですが)、何度も搭乗してみた結果、
最後列の通路側が一番快適
という結論に至りました。
エコノミーとビジネスクラスの中間クラスの位置付けながら、エコノミーに近い「ANAプレミアムエコノミー」。
ビジネスクラスの快適さには遠く及ばないものの、エコノミーより数段快適なのは事実です。
お好みの座席で、素敵な旅にしてくださいね♪
最後までお読み頂きありがとうございました。
ANAプレミアムエコノミー搭乗記のページ
搭乗したときの機内食やサービスの具体的な様子は、搭乗記をご覧ください。特に一番上のシンガポール便のページは人気です。
とっても楽しく拝読いたしました。役立つ情報、ありがとうございます
とても参考になりました ありがとうございました
最後列は後ろに壁があるようなのでリクライニングが十分にできないのではないかと迷っていました
どうやらその心配はないようなので最後列を予約しました