今回はJALの上級会員・サービスステイタスのうち、「サファイア」ステイタスの特典と達成条件について紹介します。
目次
JALのサービスステイタスとは?
概要についてはこちらの記事で解説しています。
JALのお得意様・上級会員のこと
JALのサービスステイタスとは、ざっくり言うと、JALのお得意様・上級会員に与えられているステイタスのことです。
JALを頻繁に利用している人をお得意様に認定して特典を与えることで、顧客の囲い込みを行うというJALの作戦だと思います。
サービスステイタスの種類
サービスステイタスにはランクがあります。ランクは、
- ダイヤモンド
- (JGCプレミア)←ここでは説明を省きます
- サファイア
- クリスタル
- (JGCワンワールドサファイア)←ここでは説明を省きます
です(厳密にはもう少し細かく分かれていますが、今回はざっくりと解説するため、可能な範囲で単純化して説明します)。
当然ながら、最下位のクリスタルよりも最上位のダイヤモンドの方が達成は難しいですが、その分享受できる特典が多くなります。
ステイタスを得る条件「1年間に規定のFLY ONポイント・搭乗回数達成」
こちらについても過去の記事で解説しています。
必要な範囲内だけで再度説明しておきます。
JALのサービスステイタスを得るには、JALの飛行機に頻繁に搭乗する必要がありますが、具体的にどれぐらい乗ればサービスステイタスを得ることができるのでしょうか?
キーワードは「FLY ONポイント」「搭乗回数」です。
達成基準を表にまとめてみました。
FLY ONポイント数で達成する場合
FLY ONポイントとは、JALの飛行機に搭乗すると積算されるポイントです。(ただし特典航空券等無償の場合は除きます。)
このFLY ONポイントを毎年1~12月の1年間で一定数以上貯めると、サービスステイタスが与えられます。各ステイタス達成基準は、
- ダイヤモンド=100,000P(うち50,000P以上はJALグループ便)
- サファイア=50,000P(うち25,000P以上はJALグループ便)
- クリスタル=30,000P(うち15,000P以上はJALグループ便)
となっています。これはANAでも同様の体制が敷かれています。
搭乗回数で達成する場合
一方、ANAとは異なり、JALのサービスステイタスは「搭乗回数」を重ねることでも獲得することができます。つまり、JALでは搭乗によって積算されるポイントで上級会員を目指す以外に、搭乗回数によって上級会員を目指す方法も開かれているということです。
ただし、回数によって上級会員になるためには、回数だけでなくFLY ONポイントも一定数以上貯めなければなりません。つまり、「搭乗回数は多いが、近距離路線の格安運賃ばかり利用しているので、FLY ONポイントが貯まっていない」という状態では、上級会員には慣れないという仕組みです。
これをふまえ、搭乗回数による各ステイタス達成基準は、
- ダイヤモンド
=【搭乗回数120回以上(うち60回以上はJALグループ便)】かつ【35,000FLY ONポイント以上】 - サファイア
=【搭乗回数50回以上(うち25回以上はJALグループ便)】かつ【15,000FLY ONポイント以上】 - クリスタル
=【搭乗回数30回以上(うち15回以上はJALグループ便)】かつ【10,000FLY ONポイント以上】
となっています。FLY ONポイント数だけで上級会員になる場合に比べると、必要FLY ONポイント数は少なくなっています。
再度まとめた表を貼り付けておきます。
「お金を払って飛行機に乗る」ことがサービスステイタスの条件の肝
FLY ONポイント数・搭乗回数はJALの飛行機にお金を払って、またはeJALポイントで航空券を購入して搭乗することで貯まっていきます。(eJALポイントとは、JALの旅行商品・航空券購入に使えるポイントです。)
逆を言えば、特典航空券等、無償の航空券を利用した搭乗では、ポイントも搭乗回数も積算されません。
さて、これ以降は話をサファイアに絞って説明していきます。
「サファイア」のステイタス達成基準
上で説明したように、JMBカード・JALカード会員が「サファイア」のステイタスを達成するには、
- FLY ONポイント50,000P(うち25,000P以上はJALグループ便)
- 搭乗回数50回以上(うち25回以上はJALグループ便)】かつ【15,000FLY ONポイント以上
のどちらかを達成する必要があります。
「サファイア」の特典
予約についての特典
以下の特典を、ステイタス基準達成の約1週間後~翌々年3月末まで利用できます。
1.専用予約デスク
JALグループ便利用の際は、専用のサファイア予約デスクを利用することができます。
2.予約時の優先キャンセル待ち
希望するJALグループ便が満席の場合、キャンセル待ちを運賃ごとに優先的に取り扱ってもらえます。
また、ワンワールドアライアンス加盟航空会社の希望便が満席の場合は、各航空会社の予約センターで優先的にキャンセル待ちを取り扱ってもらえます。
3.国際線前方座席指定サービス
ホームページでも電話でも、JALグループ国際線予約の際に、前方座席を優先して指定できます。ただし、他車運行のコードシェア便利用時はこのサービスは使えません。
前方座席を利用すると、飛行機が目的地に到着したときにスムーズに飛行機から降りられます。これは意外に大きなメリットで、降機時のちょっとの時間差で入国審査での待ち時間が大幅に短縮されたりします。
マイルについての特典
以下の特典を、ステイタス基準達成の約1週間後~翌々年3月末まで利用できます。
1.マイルUPボーナス
通常、マイルの計算は、
【区間マイル(飛行距離)】×【利用運賃のマイル積算率】
によって計算します。
それが、サファイアの対象期間中は、
- JALグループ便(105%)
- アメリカン航空便(105%)
- ブリティッシュ・エアウェイズ便(100%)
- イベリア航空便(50%)
にJALマイレージバンクのマイル積算対象運賃で搭乗すると、搭乗ごとに()内のボーナスマイルがプラスされます。
これはデカいですね。JAL便に乗れば、単純にこれまでの約2倍のマイルが貯まるようになるわけです。
空港での特典
以下の特典を、ステイタスカード到着の約1週間後~翌々年3月末まで利用できます。
1.専用カウンターでのチェックイン
空港のカウンターでチェックインする際、搭乗クラスに関係なく専用カウンターでのチェックインが可能になります。
利用できる専用カウンターは、
・JALグループの国内線利用時=JALグローバルクラブ(JGC)カウンター
・JALファーストクラス・チェックインカウンター(ない場合はビジネスクラス・チェックインカウンター)
・ワンワールドアライアンス加盟航空会社便=「ワンワールドエリートステイタス」表示のある優先チェックインカウンター
となっています。
これは会員本人のみのサービスであり、同行者は対象になりません。
2.プライオリティバッゲージサービス
カタカナにするとすごく分かりにくくなりますが、「手荷物の優先サービス」と日本語にすると少しわかりやすくなります(笑)
JALグループ便ならびにワンワールドアライアンス加盟航空会社便利用時に、到着空港で優先的に手荷物の引き渡しが行われます。サファイアのステイタス保有者が手荷物を預けると、手荷物に優先タグがつけられ、到着空港でコンベアーに優先的にのせてもらえるというわけです。
これも会員本人のみのサービスです。
また、
- 他社便からの乗り継ぎ便利用の際にスルーチェックインをした場合
- ブリティッシュ・エアウェイズ運航便搭乗の場合
は利用できません。この場合は搭乗クラスに応じた取扱いになります(ビジネスクラス以上に搭乗すれば、手荷物は優先的に返却されます)。
3.受託手荷物無料許容量の優待
搭乗当日に空港で手荷物を預ける際、無料で預けることができる容量は決まっています。サファイアのステイタスを保有すると、通常の容量に加えて
・JALグループ国内線=プラス20kg
・JAL国際線=プラス1個(1個あたり32kg以内)
・ワンワールドアライアンス加盟航空会社便=エコノミー搭乗時に以下の取扱い
(1)個数制…プラス1個23kg、最大2個まで(ただし、もともと2個までOKの場合は本サービスは適用なし)
(2)重量制…プラス15kg
これも会員本人のみのサービスです。
また、他社便からの乗り継ぎ便利用の際にスルーチェックインをした場合は利用できません。
4.空港での優先空席待ち
JALグループ便、ワンワールドアライアンス加盟航空会社便利用時に、空港で搭乗当日に空席待ちをする場合、優先的に取り扱ってもらえます。ただし、他社運航のコードシェア便では利用できません。
5.JALグローバルクラブ エントランス
JALグループ国内線利用時、JGCカウンター(チェックインカウンター)横にあるエントランスを利用できます。エントランスはそのまま保安検査場に通じているので、保安検査場の長蛇の列を回避することができます。
ただし、このエントランスが設置されているのは、
- 羽田
- 伊丹
- 新千歳
- 福岡
だけです。
このエントランスは本人と同行者1名が利用できます。
6.ファストセキュリティレーンの利用
成田空港第2ターミナル出発のJAL便を利用する場合、サファイアカードと搭乗券を提示すれば、「JALファストセキュリティレーン」を利用できます。これで保安検査の列を回避できます。
このサービスは会員本人と同行者1名が利用できます。たあし、JAL運航のコードシェア便に他社便名で搭乗する場合は利用できません。
7.空港での優先搭乗
サファイア会員は、JALグループ便・ワンワールドアライアンス加盟航空会社便搭乗時に、一般の搭乗客に先駆けて優先的に搭乗できます。
これは会員本人のみのサービスです。
空港ラウンジの利用
1.JALグループ便
搭乗クラスに関係なく、サファイア会員本人と同行者1名、マイルを引き落とせば同行者最大3名までラウンジを利用することができます。
2.ワンワールドアライアンス加盟航空会社
ワンワールドアライアンス加盟航空会社出発時、全世界約600カ所以上に設置されているワンワールドアライアンス加盟航空会社各社のラウンジを利用することができます。各ラウンジには会員本人と同行者1名が利用できます。
この空港ラウンジは、飛行機の待ち時間を過ごすときに絶大な威力を発揮します。
- 国内線のラウンジはアルコールを含む飲み物とスナック菓子(おつまみ)
- 国際線のラウンジはアルコールを含む飲み物と食事
を自由に飲食できます。特に国際線は時間に余裕を持った行動が求められる反面、時間に余裕を持たせすぎると退屈な時間が発生します。その空き時間をラウンジでのんびりゆったり過ごすことができる快適さは、一度味わってしまうとやめられなくなってしまいます(笑)
通常、ビジネスクラス以上を利用する場合はステイタスを保有していなくてもラウンジは利用できますが、サファイア会員になると搭乗クラスがエコノミークラスであってもラウンジに入室できます。これを目当てに上級会員を目指す人も少なくありません。
会員限定サービス
1.FLY ONアップグレードパッケージ
FLY ONステイタス(クリスタル以上)会員の限定特典として、「FLY ON アップグレードパッケージ」が利用できます。内容は以下の通りです。
- 国際線アップグレード特典 マイルバックキャンペーン
→搭乗時にFLY ONステイタス保有者が対象路線でアップグレード特典を利用すると、搭乗の翌月下旬にマイルの一部が払い戻しされます。 - “お好きな1カ月間いつでも”JALグループ国内線FLY ONポイント2倍キャンペーン
→4/1~3/31の期間で事前に指定した「1カ月間」に、JALグループ国内線にマイル積算対象運賃で搭乗すると、通常の2倍のFLY ONポイントが獲得できます。国内線修行にはもってこいのキャンペーンです。 - 羽田空港国内線サクララウンジ専用ラウンジクーポンプレゼント
→4/1~3/31の期間、羽田空港国内線ターミナルを10回利用できる電子クーポンが1回プレゼントされます。
2.JALとっておきの逸品 限定商品
ダイヤモンド、JGCプレミア、サファイア会員限定商品を購入することができます。
3.新羅免税店での優待
サファイアカードとパスポートの提示で、新羅免税店(ソウル店)で利用できるプリペイドカード10,000ウォン分が受け取れます(@新羅免税店ソウル店地下1階ギフトデスク)。
4/1~6/30、7/1~9/30、10/1~12/31、1/1~3/31の各期間中に各1回(1枚)まで、会員本人が受け取れます。
サービスステイタスの維持のためには?
出張族でない限り、サービスステイタス維持は難しい!
サービスステイタスは、毎年1~12月の1年間の搭乗実績によって付与の有無が決まります。
一度サービスステイタスを獲得すると、特典は翌々年の3月末まで続きます。逆に言えば、翌々年の3月末をもって、特典は受けられなくなってしまうのです。
サファイアのステイタスを例に説明すると…
【2017年1~12月にサファイア基準達成】→【2019年3月末までサファイア】
【2018年1~12月にサファイア基準達成】→【2020年3月末までサファイア】
であることを踏まえると、2017年1~12月にサファイア基準を達成しても、2018年に再びサファイア基準を達成しない限り、サファイアの特典は2019年3月で期限切れになってしまいます。
つまり、毎年継続的に搭乗実績を上げられないと、サービスステイタスの維持は困難なのです。
そこで現れる救世主「JALグローバルクラブ(JGC)」
会員である限り上級会員のステイタスを維持できる
上で述べたように、上級会員のステイタスを維持するには、毎年継続的にJALの飛行機に搭乗する必要があります。しかし、JALグローバルクラブの会員になれば、会員である限りは上級会員のステイタスを維持できるのです。
JALグローバルクラブ入会資格「サファイアであること」
JALグローバルクラブに入会する要件は、
【JMBサファイア】のステイタスを保有していること
です。言い換えれば、
【JMBサファイア会員】になれば、JALグローバルクラブに入会できる
ということです。
JALグローバルクラブ会員は専用のクレジットカードを発行する
JALグローバルクラブ会員になるには、JALグローバルクラブ会員用のクレジットカード(JALカード)を発行する必要があります。そのカードはCLUB-Aカード以上のランクでなければならず、最低でも10,800円の年会費がかかります。
ただ、10,800円の年会費を毎年払い続けることで、JALを利用するときやワンワールドアライアンス加盟航空会社を利用するときに様々な特典が得られるのです。
だからこその【JGC修行】
まとめると、「サファイアになればJALグローバルクラブ(JGC)に入会でき、一度JALグローバルクラブ会員になれば、会員でいる限りJALの上級会員として様々な特典を受けることができる」ということになります。
つまり、ある特定の1年間だけJALの飛行機にたくさん乗ってサファイアステイタスを獲得してJGC会員になれば、以降は搭乗実績に関係なくJALの上級会員としての待遇を受けることができるのです。
これを狙ってJALの飛行機に乗りまくることを「JGC修行」と呼びます。
マイル小僧、JGC修行を決行中です
私マイル小僧は、JGC修行を決行中です。その様子は改めて記事で紹介しますので、楽しみにお待ちください。
今回はここまでです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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